完全にぼったくりですよね?

アメリカで受けた医療費の請求について外国人(アメリカ人以外の意味)の方から聞く言葉です。

アメリカの医療費は高い事で有名ですが、ぼったくりなのでしょうか?

そもそもこの『ぼったくり』とはなんでしょうか?

辞書には載っていないので、ウイキペディアによると『法外な料金をとる』『力ずくで奪い取ること』と書かれています。

医療費は力づくには取られないので、この場合は『法外な請求がきた』事をさして『ぼったくり』と言われている様です。

そして問題になるのが『法外な値段』が感覚的に決まっているので、外国人とアメリカ人では認識の大きな違いができてしまうことです。

アメリカと日本の医療費の違いで最も大切な知っておくべきことは

アメリカは自由診療で費用は医療機関によって異なります

つまり病院、医師の値段はそれぞれが自由に決めます。

病院や医師ごとに費用が違うのです。

不思議な気がするかもしれませんが、服、カバン、車などを買う、レストランへ行くと考えれば分かりやすいでしょう。

資本主義社会ではサービス、量、質などなどの違いで自由にお店が値段を決めます。

医療もこんな感覚になっているのです。

と聞くと、

日本の医療は自由に値段が決められないのか?

と思われることでしょう。

基本的には決められません。

保険診療を行う医療機関は、保険点数、支払いが一律決まっていて、それを超えての請求はできません。

また『保険と自費』の混合診療も禁止されています(歯科医は別の様ですが)。

ですので、沖縄でも青森でも東京銀座でも医療費、診療報酬は同じなんです。

つまり、日本で医療を受けたことのある方はこれによって自己負担額(通常3割程度)の感覚が当たり前になっています。

そして、その想像を上回る金額が来ると、『医療費が高い』となり、

想像をはるかに超えると、『すごく高い』となります。

さらに、想像を超えまくった医療費がくればそれは怒りとなり『ぼったくり』となるのかと思われます(笑)。

これがぼったくりのメカニズムでした。

付け加えると日本の感覚で医療機関を受診すればどこでも『ぼったくり』と感じることは間違い無いでしょう。

じゃあ相場はいくらなの? 時価の寿司屋じゃ無いんだから。

実はそんな医療費の相場を知るための便利なサイトもあります。

Fair Helth と言われるサイトで、これにはネットワーク、アウトオブネットワークの値段相場が載っています。

診療を受けた時のICD10 と言われるコードを入れれば簡単にどれくらいの費用が一般かを知ることができるのです。

『ぼったくり』と思われた方はまずこれで確認が大切ですね。もしかしたらその医療費は相場なのかもしれません。

じゃあ日本へ帰ろう。

との気持ちも分かりますし、時と場合によってはそれも正解かもしれません。

しかし実は

日本に滞在するアメリカ人もアメリカの医療を求めてアメリカへ帰ってくる事実があるのです

なんでわざわざ高い医療費を払いに?

と思われることでしょうが、そこは資本主義。

医療費とかカラダの故障には『びた一文払わん!!』服は高いの買うけどね。

ほっときゃ治るでしょそのうち

っと言う人がいれば

『車の修理は激安でいいけど、僕はカラダの故障にはお金かけるよ』

と言う方もいる訳です。

こればかりは個人の価値観なので難しいですね。

結局は自分の予算と求めるもので決定する。つまりは医療は買い物なんですね。

日本みたいに一律料金で全員一緒では無いですが

オプションがあって予算で好きな医療を選択できることは大きな特徴です。

アメリカの医療レベルは世界一です。世界中から留学、研究のため医師が集まるのも納得ですね。

アメリカ人の医師が日本へ留学するよりも逆の方が多いことからも分かるかと思います。

私もそんな医療を学びにアメリカへ留学した一人なのです。

その他、知っておいて損はしない注意事項

ネットワークとアウトオブネットワーク

インネットワークとアウトオブネットワーク

アメリカの医療保険については、大きく分けて『アウトオブネットワーク』と『インネットワーク』の2種類があります。

この『インネットワーク』は医療機関が保険会社と提携して診療する仕組みです。保険会社に連絡すればご自分のネットワーク内の医療機関を紹介してくれます。このネットワーク内での診療は日本の健康保険の感覚に近いです。かかる費用も一般的にはCo-Pay,(コペイ)と言われ一律の料金でまかなわれます。

一般的に『保険が適応される』イメージはこのインネットワークの医療機関です。

日本ほどは安く無いでしょうが、近い感覚かもしれません。

そして一方の『アウトオブネットワーク』Out of Network はこの保険会社と医療機関が提携していないので、診療を行う医療機関です。

当院もこのタイプですが保険会社からの紹介や保険が使える等の理由で患者様は来院しません。

また、カイロプラクティック、鍼灸、歯科医などは時間をかけて質を追求する先生も多いのでネットワークに入らないドクターが多いです。

アメリカ全土にスポーツカイロプラクティックの友人がいますが、友人全員がアウトオフネットワークで診療を行っています。

みんな自信を持っての診療なので、それなりの費用がかかっても患者様が来院してくださると言うことなのでしょう。

どこへ行っても同じであれば保険のカバーがある医療機関を選ぶのは当然なので、実力を持っていないと

この体型では診療できないんです。

さて、保険会社も自分のネットワーク内に患者さんを確保したいが故にさまざまなことが起こります。

医療機関で保険の保証を調べると、患者様に直接メールが届き、

『この医療機関はアウトオブネットワークなので注意!!医療費高いよ!!』的なメールが届くそうです。

保険会社はできるだけ自分の顧客(被保険者)をネットワーク内から出さないことで自分の支払いを抑えられるので

まあ、気持ちもわかるのですが、

『そんならはじめからそんなアウトオブネットワークの保険なんか売らなきゃいいじゃん』

と言うのは私の個人的な見解です(笑)。

ネットワークは医療機関ではなく医師との契約

大きな病院などはネットワークの率が高いので、大きな事故などはカバーされることが多いです。

事前に自分のネットワークに入っているかを調べないと大きな病院でも加入していないこともあるので注意が必要です。

また、ネットワークは医療機関ではなく、医師との契約です。

つまり、同じ病院でもネットワークに加入している先生とそうでない先生がいるのです。

これも調べるべき大切なポイントです。せっかくネットワークの医療機関を探して受診しても実際に診療を受けている先生が自分の保険のネットワークに属していなければアウトオフネットワークで請求が行われます。

そしてそこまで確認しても、ご自身の保険にアウトオブネットワークの保証があれば、アウトオブネットワークで請求されてしまうことがあります。

事前に確認

これが結論ですが何をいくらで買うかをはっきりとすることが大切かと思います。

また上で説明したFair health は大変参考になります。

医療機関も値段交渉が可能です。(当院はしませんので交渉しないでくださいね)。

保険と無保険で大幅に値段の差があることも良くあります(これも当院はありません)。

場所によってはキャッシュで割引もあるくらいです(これも当院ありません)。

『ぼったくり』についての私の見解は、『ぼったくり』は無いと思います。

自由競争の市場が出来上がっているので値段の差はありますが、それを確認できれば『ぼったくり』にはならないからです。

それでは、皆様結局これですが

健康でいること、そのために予防に時間とお金を使うこと

本当に高いのは医療費ではなくて、人生の失われる時間だと思います。

医療を探したり、動けなくなったり、悩んだり、やりたいことができなくなったり。

皆様がそんなことを心配せずにお元気でカラダを動かし続けられればと思っております。